そして、運転席から全身白いユニホームと帽子を被った女の人がおりてきました。
女の人は言いました。

「今日はご依頼頂いてありがとうございます。ミックマックの遺品整理担当の女山雪子(おんなやま ゆきこ)と申します。今日はよろしくお願いいたします。」

若者は思いました。(やだなぁ~。なんかあの時の雪女ににているなぁ~)だけど、大きめのマスクをしているので、はっきりと顔は確認できませんでした。

若者:「女山さんとおっしゃるんですね。珍しい苗字ですね~。」

女山:「よく言われます~。」

若者:「ご出身はどちらなんですか?」

女山:「雪深い山奥です。」

若者:「雪深い山奥・・・まさかっ、」

女山:「さぁ、遺品整理をさせて頂きましょうか。」

若者:「・・・・・・」

そういって、二人は父親の遺品整理を開始しました。
初めての遺品整理、父親の残した遺品。どれを残してどれを捨てればいいのか、分かりませんでした。

女山:「まだ気持ちの整理がつかないのは分かります。どうぞ、お父様との思い出を聞かせて頂きながら、心と遺品の整理を一緒にしてまいりましょう。」

若者:「・・・はい(涙)」

そう言うと、若者は大事そうに父親の遺品を手に取りました。

女山:「それはなんですか?」

若者:「これは、父親が狩りに行くときに、いつも着ていたPatagoniaのジャケットです。。。あの日もこれを着ていました。」

雪女:「たしかに、あの日は吹雪いて寒かったですものね~。」

若者:「えっ?」

女山:「あ、そうじゃないのかなぁ~という想像です。はい。」

若者:「・・・・・あっ、これは、Colombiaのインナーです。これも父親が愛用していたモノです。」

女山:「そうなんですね。。。」

若者:「冬の山はとても寒いので、生前、Patagoniaのジャケットの下には、必ずこれを着ていました。。。」

女山:「そうなんですよ!最初見たときに、かなり性能のいいジャケットを着こんでたから、『あっ、これ、凍らないんじゃないかな??』と思ったんです。だから、いつもより強めに息を吹きかけたら、ちょっと、凍りすぎちゃって~!ごめんなさいね~!」

若者:「凍りすぎちゃって!?さっきからお前、、、雪女やな!!!」

女山:「バレちゃった♪ワタシとしたことが、、、氷だけに・・・口をすべらせちゃった~。」



ーーーーーーーーーーーーーーー完ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

*この物語はフィクションです*